49-一度用事があると断ったが、その後その予定がすぐ済んだ時の気まずさ

「凪元、いつまでここにいるんだ?」
俺が待っている間、凪元もずっとここにいた。
「え、そういう言い方する?」
「いや、お前が来てからもうそろそろ10分ほど経つ。勝手に呼んだのはこちら側で、お前の都合は大丈夫なのか?と思ったんだが」
凪元にはお前はもう邪魔だ、帰れ、と言ったように聞こえたらしい。
引き渡しを知り合いに見られるのは少々恥ずかしいところがあるので、少しその気持ちが入ってしまったせいかもしれない。

「そういうことなら大丈夫だよ。暇だし。こういう場でもないと木々村くんと話せないし」
お前、それはどういうことだ?何を話すんだ?と聞こうとしたら、向こうから公園には似つかわしくないスーツを着た二人組がやってくるのが見えた。
あの二人だな、とすぐに分かった。
名前はわからないが、作戦時にいた人だ。男女の2人。
連絡係のあの女の人はいなかった。

「木々村くん!ご苦労様です」
「あ、はい。ご苦労様です」
相手が敬礼を入れたので、こちらもつい立ち上がり返してしまう。
「池崎を捕まえました」
「ありがとうございます。協力感謝いたします」
何でこっちの学校の方にいなかったんですか?とか、色々と聞きたいこともあったが、凪元が隣にいるので、細かく突っ込むのはやめておく。

念のために引き取りに来た人たちが組織の人たちなのかを確認した。

さっと引き渡して、さっと帰ろう。同じ人にずっと見られているわけではないが、男性を縛り上げた横に男子高校生がいる、なんてあまりに不自然すぎて今まで注目を集めていた。
小学生の低学年の子たちからの視線が痛かったところだ。
異様な雰囲気だったので、変に絡まれたりは一切なかったが。

「後はよろしくお願いします」
引き渡しの際、池崎は抵抗をしたが、引取人の能力を使われて大人しくさせられたようだ。なんの能力かはわからなかった。でも、流石に無力化する能力がないとな。
二人に池崎を任せて見送った。車に乗せられてどっか行った。

「お疲れ様」
凪元が俺に声をかけた。
「ああ。用事は終わった。俺は帰る」
「じゃあ僕も帰ろうかな」
と言って、凪元は電話を取り出す。
「あぁ、用事が終わったからさ。迎えに来てよ」

誰かに電話をかけた。車で帰るんだろうか。まぁ、どうでもいいけどな。

「木々村くん、今から僕の迎え来るけど、一緒に乗ってく?」
やっぱり車だった。
「いや、寄りたいところがあるから。大丈夫だ」
これは本当だ。一回学校にも寄りたかった。古今泉の件がどうなっているかが気になっていた。
「ほーい。……あ、いや、じゃあお願いね」

凪元は通話を切った。
通話をしながら俺と会話したため、通話口の相手に疑問に思われたか。

「じゃあ、またの機会だね」
「おう」
そう言って別れた。

学校に行く前に古今泉に連絡した。
学校に警察が来たらしい。
誘拐だと通報したとか。
だが、その時に古今泉が学校に帰ってきて、誘拐から帰ってきた?
ということになったらしい。

警察にはお姉ちゃんの知り合いの人にちょっと強引に連れ去られちゃっただけ、という風に説明して、事件性はない、ということにしたと言っていた。

事件性がないのは嘘だが、姉の知り合いに強引に連れ去られたというのは間違っていない。

警察をどれだけ誤魔化せるかはわからないが、能力が絡んでるとわかったらそこまで追求はされないだろう。

学校に寄って古今泉がどういう状態なのか確認したかったが、連絡を入れて確認できたので、する必要がなくなった。
まっすぐ帰ることにした。

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